サステナブルなムニエの栽培に情熱を注ぐ
注目のアルティザン・シャンパーニュ
拠点:シャンパーニ地方/ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区/アベルヴァル・スー・シャティヨン村
栽培:有機農法で栽培
所有畑:5ha 生産本数:約45,000本/年
シャンパーニュの中心地ランスとエペルネからそれぞれ30キロ離れた、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区(※)のBelval-sous-Châtillon(ベルヴァル・スー・シャティヨン)村で、1953年にRobert FAIVREが設立した家族経営のレコルタン。
※ヴァレ=渓谷、マルヌ=「マルヌ川」の近く。川が近いので湿度が高い地域。開花は遅くて収穫が早く病害にも強い ピノ・ムニエが育てやすく、このエリアの作付け比率はムニエが8割近く占める
当時は大手メゾンや協同組合にブドウを売る栽培農家が主流でした。フェーヴル家も、父の時代までは協同組合にブドウを売っていました。
自社醸造のシャンパーニュ造りを目指して抜本的に方向転換をしたのは、3代目で現当主のダヴィドです。2000年代前半にメゾンを引き継ぐと、土地の個性を最大限に生かす新たな挑戦を始めました。当時は、まだ多くのシャンパーニュ生産者が有機農業や新しい取り組みに積極的ではなかった時代ですが、ダヴィドは「自分たちの子供や孫から大地を借りている」という今でこそよく聞かれる「サステナブル」の理念をいち早く取り入れられたのです。
まず着手したのは、自然を尊重した栽培への切り替えです。殺虫剤や除草剤・化学肥料の使用をできる限り減らし、所有畑を耕す農法へ転換する生産者は当時は珍しい存在でした。2016年に環境への取組みに関する2つの認証、HVE(High Environmental Value)とSustainable Viticulture in Champagneを取得。
2017年、ようやく協同組合から完全に独立し、栽培から醸造・瓶詰まで一貫して自社生産を開始します。
2020年には遂に全区画でビオロジック農法に転換しました。
ダヴィドのシャンパーニュは、一部を除いて全てステンレスタンクで発酵・醸造(MLFは有)。フレッシュさと身体に沁みるような瑞々しい旨味が特徴です。グラスに注ぐと、蜜のしっかりのった完熟リンゴのような凝縮した果実と、少しスモーキーな香り。アタックは爽やかで、飲み進むとふくよかです。大きめのグラスで飲みたくなる高貴な風格が漂います。
お飲みになる際は、いったん充分に冷やしてからグラスに注ぎ、温度が上がるにつれて香り豊かで厚みのある味わいをお楽しみいただければと思います。グラスは大きめのタイプがお勧めです。
「僕はムニエのアンバサダーになりたいんだ」と誇らしそうに語る笑顔が印象的なダヴィドはまだ新しい生産者ですが、シャンパーニュのアルティザンシャンパーニュを扱う人気ショップではお馴染みで、2つ星レ・クレイエールをはじめ高級レストランにもリストオンされています。また、デキャンタ・ワールド・ワイン・アワーズでも賞を受賞している確かな品質です。コルクはDIAM(ディアム)を使用。
【白泡】
品種:ピノ・ムニエ 100%
"Les Glises"と"Mont Pinson"の区画を使用
収穫年:2017-19年
L’Aguerrie ラゲリ
パール・デュ・パラディ(ロゼ)
L'Or de Faivre (Blanc de Menier)