今、ブルゴーニュで押えておくべき生産者
2017年に就任した栽培醸造責任者ヴァンサンによる抜本的改革の後、トップレベルの品質に生まれ変わった新生ダルデュイ
拠点:ブルゴーニュ地方/コート・ド・ニュイ&ボーヌ地区
栽培:有機農法
生産本数:30,000-35,000本/年(推定)
現責任者ヴァンサン・ボトロー氏が2016年末に就任して大きな転換期を迎え、急激に評価が高まった生産者です。醸造もブランディングも抜本的に改革をし、急激に評判が上がったのはこの数年。今のダルデュイのスタイルは実にエレガント!特に赤「クロ・デ・ラングル」はAOCの概念が変わるような驚きの1本です。
ダルデュイは、1927 年にダルデュイ家のガブリエル氏によって設立。北はジュヴレ・シャンベルタンから南はピュリニ・モンラッシェまで、合計40ha の所有畑を持つ中堅ドメーヌ。ルイ・ラトゥールなどに次ぎ、コルトンの丘で4番目に広いグランクリュを有する大地主です。それにも関わらず、2002 年まで外部に管理を任せていたため知名度は高くありませんでした。そこで2003 年から栽培方法を見直し醸造家を招聘。2009 年にビオディナミ農法をはじめました。しかしながら収穫量の激減などに悩み、さらには評価もそこまで上がりませんでした。
遂にオーナー家は2016年に品質の抜本的な向上を決意します。
2016 年に現在の責任者を迎え、経営陣として招聘をして全判断を一任。ここから大きな転換期を迎えます。
抜擢されたのは、名門クロ・ド・タールで研修生として働いていたヴァンサン・ボトロー氏。当時のクロ・ド・タール支配人シルヴァン・ピティオの厚い信頼を受けて推薦され、ダルデュィに経営陣として参画する形で改革を引き受けました。
ヴァンサンは初めに土壌を分析し、ビオディナミを辞めて多くの樹を植え替え、醸造設備や熟成カーヴを一新。社員も一丸となって抜本的な改革を行った結果、数年でワインは見違えるようなエレガントなスタイルに生まれ変わり、評価も急激に高まります。この頃から現地でダルデュイのワインを飲んできた当社代表の深山は、味わいがどんどん洗練されて いると感じていましたが、ヴァンサンの話を聞いて納得しました。
フラッグシップは、約3ha の単独所有畑(モノポール)クロ・デ・ラングル。ブルゴーニュ最古の特級畑の1つクロ・ド・ヴージョの所有者だったシトー派修道院が11 世紀に開墾した歴史のある区画で、その時代から1 級や特級畑と同等とされていました。秀逸な区画であることの証です。
ミネラル、美しい酸、凝縮した果実味のバランスに優れたワイン。1級または特級に匹敵するといっても言い過ぎではありません。ぜひ一度、お試しください。